平成25年1月26日、銀座インターネットフォーラムにて、昨年12月の第11回学生囲碁王座戦を制した
柳田朋哉さん(立命館大学)と、井山裕太王座が対戦する学生囲碁王座戦特別記念対局がおこなわれました。
この対局は、プロの王座と学生王座が対局するという企画です。

対局前に握手を交わす井山裕太王座と柳田朋哉学生王座。
過去の通算結果は学生側の三勝三敗となっている。
対局は自由置き碁2子、逆コミ1目半、持ち時間は1時間と1手30秒である。
白36のノゾキは悪手だった、36は5-Nがよかったと井山王座。このノゾキによって、左の白の一団が弱
くなってしまった。 黒67まで、黒は左辺を大きく囲い辛い展開だ。黒優勢である。 黒87のトビは、単に89の所におさえたほうがわかりやすかったかもしれないと井山王座は言う。90とケイマされ、難解な展開になった。


黒111のブツカリは、白112と黒石を抑え込まれて味がなくなってしまった。黒は単に14-Fと曲り、16-Lのツギなどの味をみたほうがよかった。 黒115は敗着。
115のマガりでは、白はまだそこの空間に眼を作る余地があり失敗だ。115はマガりではなく、6-Jにノビるべきだった。「マガってはいけないと頭で思いつつも、時計に追われてつい打ってしまった。」と柳田学生王座は悔しそうに語った。 そして、黒157の出は勝機を逃した。ここでは、単に4-Bに飛べば、この白は死んでいた。「これで死んでしまうなら全然ダメですね。」と井山王座。
その後は井山王座の冷静な打ち回しにより、黒の中央の一団が死んでしまう。そして井山王座の230手中押し勝ちという結果になった。
井山王座は局後、「手合い違いの感じ。途中まで全然差が縮まりませんでした。手どころでミスがあったので、それがなければ・・・。序盤から白36の手で苦しくしてしまった。」と語り、柳田学生王座を称賛した。


検討中。両者笑顔で言葉をかわす姿も見られた。
柳田学生王座の感想
「楽しい対局でした。最初は良いと思ったのですが、手どころでミスをしてしまい、致命傷となってしまいました。ちゃんと読まないといけないという課題が残りました。すごく緊張しましたが、なかなか対局できない方なので打てて嬉しいです。もうすぐ世界学生王座戦がありますが立命館大学の先輩やお世話になった方々に優勝を狙うように言われているので、期待に応えられる頑張ります。ミスの無いよう、今回学んだことを生かしたいです。」
対局終了後、井山裕太王座から柳田朋哉学生
王座へサイン入り色紙が送られた。
今回の対局は、日本経済新聞社HP
NIKKEINETにて ライブ中継されました。

井山裕太王座(白)―柳田朋哉学生王座(黒)
自由置碁2子局 1目半コミ出し 白番中押し勝ち
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