平成23年1月22日、銀座インターネットフォーラムにて、昨年12月の第9回学生囲碁王座戦を制した谷口洋平さん(早稲田大学)と、張栩王座が対戦する学生囲碁王座戦特別記念対局がおこなわれました。この対局は、プロの王座と学生王座が対局するという企画で、今回で5回目の開催となります。

対局前に握手を交わすお二人。
張王座は今回で3度目のご参加です。
谷口さんは、少し緊張気味・・・?
過去の結果は、第1回の開催時に学生王座が勝利して以来、プロの王座が3連勝中です。
そして、張王座はこの特別対局を2連勝中です。
持ち時間は1時間、秒読み30秒。手合い割りは2子逆コミ6目半で、自由置き碁で行われました。
谷口さんが初めに右上隅小目と左下隅小目に打ったのち、対局が開始されました。


序盤は、白26のふくらみが絶好の位置。黒は35で一子を取ることが出来たが後手となり、白38と回られ遅い。
白54で黒がピシャリと止まってしまった。
その後、下辺でふりかわりの形となったが、先手で上辺に回れた分、はっきりと白が得をしている。
白74で2間に飛ばれ、黒は少し物足りない。
黒73ではL17と打ち、厚みを生かしたかった。
黒75からの上辺の生きは定石だが、もう一工夫欲しいところ。
白88は絶妙な一手。黒の厚みをなくし、細くなった。
続いて、白94は勝負手。
だか黒は冷静な応対でしっかりと打ち、なかなか白に逆転するチャンスを与えない。
谷口さんは『そこで、もっと苛められたら怖かった』とのこと。
白144の手は非常に大きい。
黒は何としても先に回りたかったところ。
逆転とまでは行かないが、差を詰めた。
しかし、その後、谷口さんは学生王座に恥じない堂々とした打ち回しで、見事一目半の勝利を得た。


学生側の勝利は、第1回の開催以来4年ぶりです。

対局後の感想
張先生「最初はコミを意識せずに打ちました。最初からコミを意識すると堅苦しくなってしまうので。途中から盤面では勝っているなと思いましたが、谷口さんは強かったです。ヨセもしっかり打たれていたし、手合い違いのような気が・・・。僕もがんばったかな。善戦しました!(笑)」
谷口さん「序盤が堅くなり過ぎてしまって、負けているかなと思っていました。その後細かい碁になって何とか勝つことができてよかったです。最近間寛平さんがマラソンでゴールされたので、自分も負けていられないなと思いました。」

谷口洋平 学生王座(黒) vs 張栩 王座(白)
2子局 白番6目半コミ出し 黒1目半勝ち
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